ドラフトで拓く一般的な視界
間が空いてしまってごめんなさい。ばなです。生きてます。
遊戯王のキューブドラフト作りを約2年勤しんできました。
キューブドラフトがわからない人用の過去記事。ルールは言葉にすると難しいがやれば簡単です。
しかし、知り合いは遊戯王やMTGよりデュエマと言う流れだったので、約1年前より周りに教わりながら全くカードやルーリングを知らない状態からキューブドラフトを作りました。その時の調整の話です。
ドラフト未プレイ、カードゲーム初心者も含む沢山の人からプレイされるのでよく流れる声が「これ禁止にしない?」「これはヤバすぎる(新カード導入前)」逆に、「これいらなくね」など様々な声が送られてきます。
どうすれば一般的な視点でバランスの取れたカード選びをできるのか今回のブログではそこについてまとめていきたいと思います。
今回は闇、水、自然の3色のプールでしか試せてないので光や炎への知見は狭いです。
思考のポイントは以下の通り
①このカードが影響してこの盤面になっているのか このカードがなかったらどうなってた?
②そもそも、このカードは何をしているのか日本語に翻訳してみる
②-2 定めた基準や目標に対しての評価
③考察をして強い使い方を見つけたか?
④トーナメントカードへの偏見がないか?
⑤過去カードプールの変更が加えられたときの理由の記録を記す
① 本当にこのカードのせい?
最も単純且つ、欠けていることが多い視点です(特にカードゲーム初心者)。勝負事で大きく劣勢のときや、ガンガン攻め立ててる時は見た目のインパクトに流されて一つの事象に対して適切な評価ができないことが多いです。
《深海の覇王 シャークウガ》でも乗り越えられた盤面を、《ASAPプライオリス》バズレンダで出して、「コイツ強すぎ!」っていうような場面はよくあります。
② そもそも、このカードは何をしているのか?
日本語に翻訳してみる。と言うのは、カードのテキストは一般的ではない複雑な言葉になっているものが多い(所謂カードゲーム語)。その為同じ条件で比べる対照実験をする為に以下の4項目に絞って翻訳してみましょう。
・手札・マナがどれだけ差がつくか
・バトルゾーンがどれだけ差がつくか
・相手のカードを何枚無駄牌にするか
・上の要素が幾つ組み合わさってるか (2要素が+の場合 マナ手札の項目は0も含む、+0.5 3要素が+の場合 +1 )
この指標で※*1未プレイであったとしても、ある程度評価はできます。しかし、この作業は実際にカードをプレイしてから行うと、「使用感」を考慮できるのでやり易いです。
(W.ブレイカー+0.2 T.ブレイカー+0.5は完全に使用感)
具体的に2枚やってみます。
ウシキン☆チャンネル VR 水/自然文明 (6)
クリーチャー:トリックス/チームウェイブ 6000+
<バズレンダ>[無色(2)](このクリーチャーのコストを支払う時、追加で[無色(2)]を好きな回数支払ってもよい。このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのBR能力を1回と、追加で[無色(2)]支払った回数、使う)
BR-このターン、自分のクリーチャー1体は、パワーを+3000され、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる。
マッハファイター
W・ブレイカー
自分のクリーチャーがバトルに勝った時、カードを1枚引いてもよい
このカードはテキストが複雑なので、潜在的な効果を翻訳するとつまり、
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の場の9000未満と4~5000未満のクリーチャーを破壊し、カードを2枚引く、6000W・ブレイカー 他のクリーチャーに若干の破壊耐性
・手札・マナがどれだけ差がつくか このカードを場に出して、2枚引くので+1
・盤面がどれだけ差がつくか 相手2体除去してこのカードが出る、Wブレイカーなので +3.2
・相手のカードを何枚無駄牌にするか 手札に戻す効果や、破壊する効果が若干弱くなるので +0.2
・上の要素が幾つ組み合わさってるか 3つなので +1
計+5.4
総評、6コストにて5点を超える化け物、若しプールにあれば逃すのは危険です。その色を使わなくてもカット戦略を使いましょうというレベル。もし2体倒せなかったとしても、その存在感は十分。
凶戦士ブレイズ・クロー C 火文明 (1)
クリーチャー:ドラゴノイド 1000
このクリーチャーは、可能なら毎ターン攻撃する。
単純な評価では計算しえない問題もあります。このクリーチャーには若干複雑な計算が必要です。
・手札・マナがどれだけ差がつくか このカードを出すので -1
・盤面がどれだけ差がつくか アタッカー故 +1
・相手のカードを何枚無駄牌にするか
5(6)ターンキルするとすると、6(7)コスト以上のカードを全て無駄牌にできる+0.3(0.15)くらい、相手のクリーチャー除去トリガーの強さが1.5倍ほどに強化されるので 8x1/8x0.5x-1=-0.5 (除去トリガー平均枚数)(相手のトリガー枚数の平均値)(1.5-1)(相手なので)
0.3-0.5=-0.2
・上の要素が幾つ組み合わさってるか ±ゼロ
計約-0.2
総評:1コストとしては悪くない。早急にゲームを終わらすことで、相手のカードを腐らせることが結果的に可能であることに注意。4ターンキルを行うことが出来れば、1コストにして最強になり得る。しかし、4ターンキルが横行するなら即座にナーフされるであろうことが問題。これを取るなら使い易いスピードアタッカーやキリフダッシュ、革命を取ってからにしたい。
こんな感じで、コストもテキストも違うクリーチャーも、翻訳してみれば比べることが出来ます。
②-2 入れたいそのカードはあなたの考えに合致していますか?
客観的な評価を下すには、基準に基づいて物事を見定めるのが重要です。
この基準はドラフト作成者人それぞれ違うと思います。
私が監修する場合
▶「40枚ランダムに取ってもデッキが回って戦える。(色は揃える)(勝敗は考慮しない)」
と言うのが大きな基準で、それに準ずる指標としては、
■「序盤に大きな差がつくカードを入れない」
■「同じ役割のカードを複数枚入れる」
■「デッキによっては役に立たないカードはあまり入れない」
具体的には、《葉鳴妖精ハキリ》や《ゴリガン砕車 ゴルドーザ》は入れない、2コストマナ加速《フェアリー・ライフ》系統を多く入れる、《ヒラメキ・プログラム》は入れない。など行っています。
③しっかり、考察した?
特に遊戯王に顕著で、普通にポン出しで使うだけじゃわからないことが多くあります。
《おろかな埋葬》《ダンディライオン》+《デブリ・ドラゴン》→《氷結界の龍トリシューラ》は有名ですが、レベルのを参照するシンクロやエクシーズの出し方については星の数ほどの強パターンがあります。 「定石を知らないだけで、弱いと思っているカードが強いことがある」という意識であったり、ドラフトをせずにプールの中から構築デッキを作って回してみるというのも大事です。
④ 偏見に毒されてない?
遊戯王のドラフトでは大会で人気な《灰流うらら》の様なカードが実力より人気になる。ということが頻発しますが、ドラフトでは大抵の場合1:1交換しか望めないのでデッキとのシナジーがないと強力なカードにはなり得ません。
こっちのドラフトでも、大会で実績のある《古代楽園モアイランド》がやばいやばいと言われていたものの、すぐに勝負を決められる《「勝利」の頂 バトル・ザ・クライマックス》の方が強かった。
皆に実装を止められる《龍装艦 チェンジザ》も多分使いまわして強い呪文が無いので言うほどヤバくないと思います。(まだ試していませんが)
もし他のキューブドラフトで弱かったカードもこちらのキューブドラフトでは強いかもしれません。
⑤過去カードプールの変更の記録を記す
過去若し、弱すぎて抜けたカード、強すぎて抜けたカードがあれば、それらを超えないようにカードを選べばある程度信頼できるカードが集まります。データにないカードは試しましょう。そして記録しましょう。
これら5個のチェックを繰り返せばカードプールが磨かれて、あなたの好きなゲーム体験が創造できるはずです!!
ここからは、今後デュエマのキューブドラフトを作りたい人へ効率的に調整するため、飛び切り具体的なトピックです。
これこそがノウハウって奴です。いつかデュエマキューブがメジャーになったら書籍化するので今のうちに読んどいてください。
①マッハファイターは強すぎる。
1ターン生き残って初めて価値を発揮するW.ブレイカーや、ボードに残ることで効果を発揮するカード。 それらを締め出してしまう要因になります。
例えば、盤面を小型クリーチャーで固めて《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を召喚し「よ~しこれで攻めるぞ!」と意気込んだ相手に対し《マナの長老ジョウモン爺》を1枚出すだけでゲームがしらけます。
パワーが低い《オブラディホーネット》レベルでも雑に出すだけで殴り合うゲームを掌握しかねないので、凶悪なシステムクリーチャーを大量に採用したプール以外ではおすすめできません。
パワーが高い奴もT.ブレイカー以上でコストが7~9のは採用を抑えましょう。初撃を止める術はなく、そもそもパワーがでかいので対処が困難です。の割にターンを返したら死にます。
バウンスしても意味がないのが地獄です。
②侵略は強すぎる。
色しか縛りのない革命チェンジは手札に戻る分ゲームを破壊する効果を持ちませんが、侵略はあまりに簡単にゲームを破壊します。
ばからしい普通の進化カードを締め出します。
③「自分はゲームに負けず、相手は勝てない」や「次のターン相手は攻撃できない」は強すぎる。
軽いわりに実質追加ターンなものが多いので危険です。
④いっぱい踏み倒すとだいたいヤバイ。
準備をした後に出したら分かり易く勝ちます。
⑤カードを調べるときは....
公式の条件カード検索と、wikiの記事に乗っているカードを調べるこの2点で、公正なカード情報と環境的カード観と、両方分かります。
⑥長年やっている経験者が腕組みながら「これ入ってていいの?」と言うカードは全部強い。
経験者は語ってください。
ということで最後にドラフトのリストを貼って終わりたいと思います。(明日更新します!!)